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Minnesota Multiphasic Personality Inventory(ミネソタ多面的人格目録):MMPI

MMPIは、ミネソタ大学のHathaway,S.R.とMckinley,J.Cが精神医学的診断に客観的な手段を提供する目的で作成した質問紙法人格検査(人格目録)です。
検査は、心理学や精神医学の教科書に記載されている情緒的・社会的態度に関する記述、各種人格検査などから集めた文章を吟味して選択された550項目からなります。検査を実施すると、その結果は4つの妥当性に関する特性と、10の臨床特性とに反映されます。
MMPIの実施方法には大きく「カード式」と「冊子式」があります。「カード式」では、1枚に1項目の文章が記してあるカード550枚を机の上にランダムな順に積み上げ、「あてはまる」と「あてはまらない」にわけてもらいます。「冊子式」はいわゆる質問紙形式のもので、質問項目と回答欄が一緒になっている冊子(タイプA質問票)と回答用紙が別になっている冊子(タイプB質問票)の2種類があります。 さらに、タイプB質問票の場合、別になっている回答用紙の種類がⅠ型回答用紙(略式(383項目)に用いる)、Ⅱ型回答用紙(正式(550項目)に用いる)、Ⅲ型回答用紙(コンピュータ採点に用いる)の3種類があります。
目的にあった実施方法を用いて、「ここに様々な内容の文章があります。書く文章を読んで、それが自分に「あてはまる」か「あてはまらない」か、どちらかに決めてください。文章に書かれていることが、あなたに「あてはまる」または「大体あてはまる」場合は[A]とし、「あてはまらない」または「あまりあてはまらない」場合は[B]としてください。「あてはまる」とも「あてはまらない」ともどうしても決められない場合は[C]として良いが、できるだけどちらかに決めて、[C]が10個以上にならないようにしてください。あなた自身のことを答えるのだという点を忘れないようにしてください。」といった具合に教示をし、検査をおこないます([A]、[B]、[C]は、各形式により異なります)。550項目と項目数が多いので、実施時間は60分以上は見ておく必要があります。
そうして得られた回答の内容は4つの妥当性尺度と10の臨床尺度に反映されます。妥当性尺度は、「どちらでもない」が多いと得点があがる?尺度、故意に自分を好ましく見せようとする回答によって得点があがるL尺度、非典型的な回答によって得点があがるF尺度、受検態度が防衛的であると得点があがるK尺度の4つです。
臨床尺度は10あり、それぞれに1~0の番号が振ってあります。MMPIの当初の目的は、結果によって妥当性のある心理診断をおこなうことで、1~0の尺度はそれぞれ、心気症、抑うつ、ヒステリー、精神病質的偏犠倚、男子性・女子性、パラノイア、精神衰弱、精神分裂病、軽躁病、社会的内向性という名前でした。各尺度は、各患者群と健常者群との回答率に大きな差が認められた項目から構成されているのです。
しかし、現在では臨床尺度はその尺度名が示す症候群を他の症候群から十分に弁別できないことがわかっており、尺度名による過剰なレッテルが張られることを避ける意味で、番号が振られるようになっています。とはいえ、もともと患者群と健常者群との間で大きな差があったものから尺度が作られているという経緯からもわかるように、様々な臨床集団の個人間には確かに得点差があるため、各々の尺度は診断名というよりも、特定の特徴や行動を反映するものとして用いられています。各尺度の布置から、被検査者の特徴を推測することができます。
MMPIは550項目という豊富な文章があるので、それを基に、4つの妥当性尺度と10の臨床尺度という基本的な尺度の他に、様々な追加の尺度が作成されています。“多面的人格目録”という名前からも分かるように、質問項目自体が利用可能性の高い、一緒の項目プールの側面もあるのです。MASもそういった追加尺度の一つです。例えば、臨床尺度として、ハンス・リングース尺度やウィギンス内容尺度、トライアン・スタイン・チュークラスタ尺度、インディアナ尺度などの尺度が作成されています。各々の尺度は、MASのように不安に特化した尺度というよりも、各々の尺度に下位尺度があり、様々な側面からその人の特徴を見ていくことができるようになっています。

<参考文献>

  • John R. Graham(著)田中富士夫(訳) 1985 MMPI-臨床解釈の実際 三京房
  • Levitt,E.E and Gotts,E.E(著) 木場深志(訳) 2012 MMPI追加尺度の臨床的応用(第2版) 三京房
  • MMPI新日本版研究会(編) 1993 MMPIマニュアル’93 三京房
  • 氏原寛・亀口賢治・成田善弘・東山紘久・山中康裕 2004 心理臨床大事典(改訂版) 培風館

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2018-109
2018(2)-73

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