リーダーシップ

目次
三隅二不二のPM理論
ブレイクらのマネジアルグリッド理論
フィードラーの状況即応モデル
ハーセイらのリーダーシップ・ライフ・サイクル理論
変革型リーダーシップ、交流型リーダーシップ、サーバント・リーダーシップ(2018-111)
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集団がその目標を達成しようとする際に、ある個人が他の集団成員や集団の活動に影響を与える過程をリーダーシップといいます。その中で、他の成員に比べ、相対的に影響力が強く、中心的な働きをしている個人をリーダーといいます。

三隅二不二のPM理論

三隅二不二は、リーダーシップの機能の観点からリーダーシップ行動の類型化を試み、PM理論を提唱しました。
この理論では、リーダーシップの機能を集団活動の基本的次元である目標達成機能(performance function of group:P機能)と集団維持機能(maintenance function of group:M機能)からとらえます。
P機能は、集団目標を達成するための計画を立案したり、成員に指示・命令を与えたりするリーダーの行動もしくは機能を指します。またM機能は、集団自体のまとまりを維持・強化しようとするもので、成員の立場を理解し、集団内に友好的な雰囲気を作り出したりする行動もしくは機能を指します。両機能は互いに独立の次元と考えられ、集団成員による評定結果からリーダーの類型化がおこなわれます。それぞれの機能が高い場合に大文字を、低い場合に小文字を使って表記します。
一般に集団の生産性や成員の満足度は、PM型のリーダーのもとで最も高く、pm型で最も低いことが見いだされており、PM型で集団の効果性が最大になるのは、M機能がP機能に対して触媒的に作用し、両者の相乗効果がもたらされたためと解釈されています。

ブレイクらのマネジアルグリッド理論

ブレイクら(Blake,R.R.et al.)は、リーダーが自らの集団の生産性ないし業績達成に払う関心の度合と、業績達成の主体者である人間(集団成員)に対する関心の度合を直行軸にとり、それぞれの程度を最低(1)から最高(9)までで区切った格子(グリッド)を基にした、リーダーシップ理論を提唱しました。
この格子図では、1.1型は業績・人間ともに関心のない、いわば無責任型もしくは放任型のリーダー、1.9型は人間への関心は高いが業績への関心はない人情型、溺愛型のリーダー、9.1型は業績への関心は強いが人間への関心がない権力型、厳父型のリーダー、9.9型は業績と人間の両方に対して最高の関心を示す理想型のリーダー、そして、5.5型は両者の妥協を考える妥協型、現実型のリーダーを示します。

フィードラーの状況即応モデル

フィードラー(Fiedler,F.E.) は、効果的なリーダーシップのあり方を集団の課題の性質、集団の構造、リーダーと成員との人間関係など、種々の状況との関連で説明しようとする状況即応モデルを提唱しました。
このモデルによれば、生産性のような集団効果性は、リーダーシップの型(関係志向型‐課題志向型)とリーダーが集団-課題状況をどの程度統制できるかの2つの要因により規定されます。
このうちリーダーシップの型は、一番好ましくない協働者(least prefered coworker:LPC)の性格特徴をSD(意味微分)法形式による一連の形容詞対で評定させたLPC得点で示され、得点の高い人は関係志向型、低い人は課題志向型と呼ばれます。
また、集団-課題状況に対する統制力の程度は、
1)リーダーと成員の関係:リーダーが成員から得る信頼や支持の程度、
2)課題の構造:課題の目標やそこへ到達する手順などが明確化されている程度、
3)リーダーの地位的勢力:リーダーに付与されている権限の程度、の3次元から測られます。各次元を2分して組み合わせると8つのオクタント
が得られ、各次元が状況を規定する重要度を1)2)3)の順と仮定すれば、オクタントはリーダーにとって状況統制力の強さ(有利さ)の順に配列されていることになるのです。
従来の研究の結果によれば、集団状況がリーダーにとって中程度に有利な時(ⅣやⅤ)、LPC得点は集団効果性と正の相関を示し、関係志向型(高LPC)のスタイルの方が効果的である。これに対し、状況がリーダーにとってかなり有利(ⅠやⅡ)か不利(Ⅷ)の場合には、課題志向型(低LPC)のスタイルの方が有利であると指摘されています。
このように、リーダーが集団‐課題状況をどの程度統制できるかによって、効果的なリーダーシップの型が異なることが示されています。

ハーセイらのリーダーシップ・ライフ・サイクル理論

ハーセイら(Hersey,T.et.al)は、適切なリーダーシップは成員の心理的成熟度に応じて変わるとする理論を提唱しました。この理論で取り上げられているリーダーシップ・スタイルには、配慮(関係性)と組織づくり(課業)という2つの因子を組み合わせた4つの類型が、また、成員の成熟度には、達成動機や責任負担の意志または能力、さらには課業の遂行にふさわしい教育と経験の程度が用いられています。
この理論によれば、
1)成員の成熟度が低い段階:関係性行動を抑え課業行動を前面に出した教示的リーダーシップ・スタイル、
2)成員の成熟度がやや高い段階:課業行動を減らし関係性行動を増やした説得的リーダーシップ・スタイル、
3)成員の成熟度が平均以上に達した段階:課業行動を抑え関係性行動を前面に出した参加的リーダーシップ・スタイル、
4)成熟度が相当高い段階:成員の主体性を尊重した委譲的リーダーシップ・スタイル
が、それぞれ効果的なリーダーシップのスタイルだということになります。

変革型リーダーシップ、交流型リーダーシップ、サーバント・リーダーシップ

その他にも、自ら率先して変革を志向することで集団に自己変革能力を育てようとする変革型リーダシップが知られています。変革型リーダーシップに対して、リーダーがメンバーと交流し相互作用をまとめていくリーダーシップを交流型リーダーシップと呼びます。
その他にも、率先して指示や命令をするリーダーよりも、奉仕者的な役割でメンバーを支援し、メンバー自らの気づきと成長を促すことで組織の成果を引き出すサーバント・リーダーシップがあります。

<参考文献>

  • 日本社会心理学会(編) 2009 社会心理学事典 丸善株式会社
  • 日本心理学諸学会連合 心理学検定局(編) 2015 心理学検定 基本キーワード[改訂版] 実務教育出版
  • 小川一夫(監修) 1995 改定新版 社会心理学用語辞典 北大路書房
  • 齊藤勇(編) 2011 図説 社会心理学入門 誠信書房

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