問題
T.Wardらが提唱したグッド・ライブス・モデル<Good Lives Model>について、不適切なものを1つ選べ。
① クライエントにとっての接近目標と自己管理を重視している。
② 性犯罪者のリラプス・プリベンション・モデルに基づいたモデルである。
③ 人間の尊厳や権利を重視し、ポジティブ心理学的アプローチをとっている。
④ クライエントを社会の中に包摂し、その立ち直りへの動機づけを高めるものである。
⑤ 一次的財<primary goods>とは人間が生きる上で必要なもので、行為主体性、友情など11の項目が挙げられている。
正答
②
解説
Good Lives Model:GLM は、人間が自分に有益で主観的な幸福感をもたらす活動や経験を積極的に求めるというポジティブ心理学と共通の前提を持っています。人間はそのものに価値がある一次的財<primary goods>を求めるという前提に立ち、犯罪はそれを求める行動の仕方の問題だと捉えます。そのため、介入では、本人の重視する一次的財を得るために、それまでとは違う適切な行動を身につけることをサポートしていきます。ここまでで、①、②、③は正答であることがわかります。②の「リラプス・プリベンション」とは、リスクアセスントを行なったうえで、ハイリスク状況からの回避を主たる手続きとする心理学的介入方略です。これは、より適切な行動を獲得することで社会への適応と一次的財の獲得を目指すGLMとは異なるモデルであることがわかると思います。そのため②が誤答となっています。
ただ、私の知る範囲では、一次的財は10項目で、11項目ではありません。⑤は適切な文章ということですが、個人的には根拠を探すことができていないので、そのことだけはお伝えしておこうと思います。
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