問題
8歳の男児 A、小学2年生。入学当初から落ち着きがなく、授業中に立ち歩く、ちょっとしたことで怒り出すなどの行動があった。2年生になるとこのようなことが多くなり、教室から飛び出し、それを止めようとした担任教師に向かって物を投げるなどの行動が出てきた。
A の行動を理解するためのスクールカウンセラーの初期対応として、不適切なものを1つ選べ。
① A の作文や絵を見る。
② A の知能検査を実施する。
③ 1年次の担任教師から A のことを聞く。
④ 担任教師や友人の A への関わりを観察する。
⑤ A の家庭での様子を聞くために、保護者との面接を担任教師に提案する。
正答
②
解説
選択肢は②以外、速やかに実行に移すことができ、Aへの負担や侵襲性が相対的に少ない方法となっています。心理検査は、被検者に少なからず負担を強いる側面があります。知能検査を実施するにしても単に実施をするのではなく、Aのどのような行動に知的側面の影響が考えられそうなのかを見立てる作業が必要になってくるでしょう。そもそも知能検査が必要なのか、落ち着きのないAに実施ができるのかということも検討する必要があると思われます。これらの点から、初期の対応として他の選択肢よりも②を優先して選択するということは考えにくいため、正答は②となります。本問題では、心理のオリジナリティ=心理検査や、アセスメント=心理検査という考えに対する警鐘を鳴らしたいのでしょう。
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