2018年 問151-154

問151
20歳の男性A、大学生。Aは大学のサークル内の友人関係におけるトラブルを経験した。その後、周囲の様々な物が不潔だと感じられるようになり、それらに触れた場合、馬鹿らしいと思っても何十分も手を洗わずにはいられなくなった。手を洗うことで一時的に不安は弱くなるが、手を洗うのをやめようとすると不安が強くなった。やがて、日常生活に支障を来すようになり、医師の紹介で相談室に訪れた。
Aに対する行動療法として、最も適切なものを1つ選べ。
1.Aの不安が一時的でなく完全に消失するまで手洗い行動を続けさせる。
2.触った後で手を洗いたくなるような不潔な物をAに回避させることで、不安を弱くさせる。
3.手を洗った後で、本当に手がきれいになったかどうかを家族に確認してもらい、手洗い行動を減らしていく。
4.不潔だと感じる物に意図的に触れさせ、手洗い行動をしないように指示し、時間の経過とともに不安が弱まっていくことを確認させる。

問152
21歳の女性A、生後1か月半の乳児の母親。乳児家庭全戸訪問事業として訪問スタッフがAの家庭を訪れた。Aは表情が乏しく、精神的な活力の乏しさが推測された。「初めての育児で全てのことに自信がない。このまま育てられるか不安だ。夫は残業で帰りが遅く、周囲に相談する人もいない。子どもが夜中に何回も起きるので寝不足でつらい」と涙ぐみながら語った。後任心理士は1週間後にAを訪問する予定のスタッフから対応を相談された。
このときの助言として、最も適切なものを1つ選べ。
1.Aにすぐ精神科への受診を勧めるよう助言する。
2.Aにすぐ保育園の入園手続きを勧めるよう助言する。
3.Aの代わりに訪問スタッフが夫や両親にサポートを依頼するよう助言する。
4.Aに「育児は大変なことばかりなので前向きになりましょう」と声をかけるように助言する。

問153
28歳の女性A、会社員。Aは、3か月前に夜遅く一人で歩いていたところ、強制性交罪(強姦)の被害に遭った。その後、気がつくと事件のことを考えており、いらいらしてささいなことで怒るようになった。仕事にも集中できずミスが目立つようになり、上司から心配されるまでになった。「自分はどうして事件に巻き込まれたのか。こんな私だから事件に遭ったのだろう。後ろから足音が聞こえてくると怖くなる。上司も私を襲ってくるかもしれない」と思うようになった。
Aに認められていない症状として、正しいものを1つ選べ。
1.侵入症状
2.回避症状
3.覚醒度と反応性の変化
4.認知と気分の陰性変化

問154
70歳の男性A。Aはもともと穏やかな性格であったが、2年くらい前から非常に短気になり、気に入らないことがあると怒鳴り散らすようになった。天気が悪くても日課の散歩は毎日欠かさず、いつも同じコースを歩くようになった。また、散歩中に信号を無視することも多くなり、危険であるため制止すると興奮するようになった。
Aに認められている症状として、正しいものを2つ選べ。
1.強迫行為
2.常同行動
3.離人症状
4.見当識障害
5.抑制の欠如

過去問題