各種症状

各主症状

症状とは、観察される人間が主観的に体験する内的現象です。ここでは、関連領域ごとに症状をまとめて説明を加えています。

関連領域症状説明
意識不眠眠れないという訴え。睡眠時間が通常より減少しているが、それがなくても不眠を訴える場合もある。寝つきに時間がかかる初期不眠(入眠困難)、途中覚醒が多い中期不眠、起床時間が通常より早くなりいったん目が覚めると再び眠れないと訴える後期不眠(早朝覚醒)がある。
見当識障害自分自身に関する基本的見当づけの能力である見当識が障害されること。見当識は通常、時間、場所、人に分けて考察される。見当識が保たれるには、意識、記憶、認知等の機能が障害されていないことが前提となり、意識障害やその他の器質性疾患などで生じる。
解離葛藤場面に遭遇した際、そのことがらに直接対応すると心理的に耐えきれない(と想定できうる)ため、無意識のうちにその葛藤に関連した観念・感情などが残りの精神の部分から「切り離される」こと。情緒的な意味づけや感情が観念・状況・対象から分離される状態ともいえる。
せん妄軽度ないし中等度の意識混濁が、短時間の内にその重症度を変動させ、活発に変化する幻覚、錯覚、強い不安や恐怖感、精神運動興奮を呈する状態。せん妄は夕刻から夜間に悪化するので、これを夜間せん妄と呼ぶ。夜間せん妄は室内の照明を明るくするなどの処置で改善することがある。
知覚幻覚対象なき知覚。現実には対象が存在しないにもかかわらず真の知覚と区別できない知覚体験をすること。対象なき知覚。感覚器による分類として、幻視(視覚)、幻聴(聴覚)などがある。
認知・思考妄想主として自己に結び付いた誤った確信であり、自己の経験や他から与えられた論理的反証によってもその内容の不合理性や矛盾を訂正できない異常体験で、かつその者が所属する集団の文化からも理解できず、知的能力の障害にも起因しないもの。
記憶健忘意識障害の期間の出来事を、意識障害から回復した後で追想できない状態。ある期間すべての追想ができないものを全健忘、一部は追想可能なものを部分健忘という。また、意識喪失の期間と追想欠損の期間が一致していれば同時健忘、意識喪失の期間をさかのぼってそれ以前の意識が清明であった期間もなくなれば逆行性健忘、意識喪失の期間を過ぎて意識が清明になってからの出来事も想起できないものを前向性健忘という。
感情抑うつ抑うつ感情。
恐怖感特定の対象に対する固定した恐れの感情。
姿勢・運動疼痛関節痛、背痛などの頭痛を除く痛み。
ジストニア一群の筋肉が急に収縮し、自分の意志ではもとに戻らなく、しばらくそのままで持続する事。
アキネジア筋活動の全般的な低下。運動が緩慢になり、表情も乏しくなる。
アカシジア下肢が落ち着かない、ムズムズするなどの感覚があり、そのためじっとしないで歩き回っていたいという欲求が強く現れ、さらに不安感や焦燥感を伴うもので、他覚的には落ち着かない足の動き、目的もなく動き回る、ひとつのところにゆっくり座っていられない。
ジスキネジア主として顔面や上半身の筋群が無目的に収縮と弛緩を繰り返し、奇異な運動を示すもの。不規則にゆっくりと口をもぐもぐさせる運動が含まれる。