犯罪被害者等基本法
この法律は、犯罪被害者等の権利利益の保護を図ることを目的としています(第1条)。この法律において「犯罪等」とは、犯罪及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす行為をいいます。また、「犯罪被害者等」とは、犯罪等により害を被った者及びその家族又は遺族をいいます。「犯罪被害者等のための施策」とは、犯罪被害者等が、その受けた被害を回復、軽減し、再び平穏な生活を営むことができるよう支援し、犯罪被害者等がその被害に係る刑事手続に適切に関与することができるようにするための施策です(第2条)。
犯罪被害者等のための施策は、犯罪被害者等が、被害を受けたときから再び平穏な生活を営むことができるようになるまでの間、必要な支援等を途切れることなく受けることができるよう、講ぜられます(第3条第3項)。そのためにも、国、地方公共団体、その他の関係機関、民間の団体等は連携しなければなりません(第7条)
政府は、この施策の推進を図るために、犯罪被害者等のための施策に関する基本的な計画を定めなければなりません(第8条)。これと関連して、内閣府には、犯罪被害者等基本計画の案を作成などする犯罪被害者等施策推進会議が置かれます(第24条)。
これらの総則のもとに、第11条から第23条には、国、地方公共団体がおこなう基本的な施策が示されています。
国、地方公共団体は、犯罪被害者等が受けた被害による経済的負担の軽減を図るため、給付金の支給に係る制度を充実させたり(第13条)、犯罪被害者等が心理的外傷をはじめ心身に受けた影響から回復できるようにするため、適切なサービスが提供されるようにします(第14条)。
また、国、地方公共団体は、犯罪被害者等がその被害に係る刑事手続に適切に関与することができるようにしたり(第18条)、その過程で犯罪被害者等の負担が軽減されるよう、専門的な知識や技能をゆする職員を配置したりします(第19条)。
これらに加え、国、地方公共団体は、教育活動、広報活動等を通じて、犯罪被害者等が置かれている状況、犯罪被害者等の名誉又は生活の平穏への配慮の重要性等について国民の理解を深めるよう必要な施策を講じていきます(第20条)。