いじめ防止対策推進法
いじめ防止対策推進法は、いじめの防止を目的として施行された法律です。いじめとは、「当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているもの」をいい、児童等とは、学校に在籍する児童又は生徒をいいます。
この法律には、いじめの防止に向けて、国、公共団体にはいじめ防止対策を策定し実施する責務が、学校の設置者にはいじめ防止のために必要な措置を講じる責務が記されているとともに、児童に対しては「児童等は、いじめを行ってはならない」と、いじめの禁止が記されています。基本的な施策として、いじめの予防のために、児童に対して教育活動を通じた道徳教育及び体験活動等の充実を図り、児童を含め保護者や職員にはいじめ防止に関する啓発を行います。また、いじめの防止に関して、いじめの早期発見にために、当該学校に在籍する児童等に対する定期的な調査その他の必要な措置を講じます。そして、いじめがあると思われるときには、速やかにその確認をおこなうとともに、学校の設置者として該当する国や地方公共団体へ、その結果を報告します。もしも、いじめがあった場合には、いじめをやめさせ、いじめをうけた児童に配慮しながら再発防止に努めます。このように、いじめ防止対策として、予防、早期発見、早期介入、再発防止といった観点から検討がなされています。いじめを行っている児童に対しては、教育上必要がある場合に、校長及び教員が懲戒を加えることができます。いじめを行った児童の保護者に対しては、市町村の教育委員会は、出席停止を命ずるなどの措置をとることができます。
いじめの中で、(1)いじめにより当該学校に在籍する児童等の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき。(2)いじめにより当該学校に在籍する児童等が相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるとき。は重大事態とし、学校は調査を行い、いじめをうけた保護者に情報を提供します。特に、児童等の生命、身体又は財産に重大な被害が生じるおそれがあるときは直ちに所轄警察署に通報し、適切に、援助を求めなければなりません。
関連問題
●2018年-問38 ●2018年(追加試験)-問43 ●2019年-問26
参考文献
<関連法規