脳幹、小脳の構造と機能

脳幹、小脳の構造と機能

脳幹の構造と機能

 脳の中心に木の幹のようにまっすぐ立ち大脳を支えている、延髄、橋、中脳を合わせて脳幹といいます。広義には間脳を含める場合もありますが、間脳は機能的には大脳に近いため独立させることが多いです。

 

 脳幹の断面は、位置によって異なります。

 しかし、いずれの位置においても共通の構造があります。その一つが、綱様体です。網様体は、神経細胞が明瞭な神経核を構成せずに散在している部位で、脳幹の全長にわたって存在しています。

 網様体は、大脳皮質や小脳、脊髄などと連絡し、睡眠と覚醒のレベルなどを調整しています。

 睡眠は、レム睡眠(REM:Rapid Eye Movement)とノンレム睡眠の大きく2種類へ分けられます。レム睡眠とは、眼球の急速運動を伴う睡眠で、筋活動は低下しますが、脳への血流量が多く脳の活動は活性化されている状態での睡眠です。レム睡眠時に起こすと夢を見ていたと答える人が多く、ノンレム睡眠時ではその割合が低いことから、レム睡眠機構が夢発現の中心だと考えられています。その他、レム睡眠時は環境に応じて体温調節がおこなわれ、酸素消費量や陰茎(膣)血流が増加します。ノンレム睡眠は、急速眼球運動をともなわない睡眠で、とくに脳の疲労回復に大きな役割を果たすと考えられています。レム睡眠とは逆で、全身の筋活動が活発であり、脳活動は低下します。また、体温調節は平衡状態を維持し、酸素消費量や陰茎(膣)血流は減少します。
 通常の睡眠は、覚醒・安静時に検出されるα波の消失時点が入眠時点とされており、入眠するとノンレム睡眠パターンに入ります。その後、レム睡眠とノンレム睡眠を3~5回繰り返してから覚醒します。ノンレム睡眠は、脳波を指標としてさらに4段階に分けられます。
ステージ1:α波が50%以下
ステージ2:睡眠紡錘波が出現
ステージ3:徐波(θ波、δ波)が20%以上
ステージ4:徐波(θ波、δ波)が50%以上
 睡眠の程度はステージ1~4の順に深くなり、このうち、睡眠の約半分をノンレム睡眠ステージ2が占めます。特に徐波睡眠と呼ばれるステージ3、4では覚醒しにくくなります。
 また、睡眠時間は加齢により変化していきます。乳幼児ほど睡眠時間は長く、経年的に総睡眠時間は減少していきますが、中でもレム睡眠の割合が主に少なくなっていきます。

 その他の脳幹に共通する構造としては、脊髄からの情報を大脳へ伝える線維束、つまり上行性の伝導路と、大脳からの情報を脊髄へ伝える下行性の伝導路があります。

 また、脳幹には脳神経核があり、末梢神経系の脳神経のうち、嗅神経と視神経を除く脳神経が脳神経核から出ています。さらに、脳幹の背側には小脳がありますが、小脳は3対の小脳脚によって脳幹と連絡しており、小脳脚を細かくみていくと、上小脳脚は中脳と、中小脳脚は橋と、下小脳脚は延髄とそれぞれ結び付いています。

小脳の構造と機能

 

小脳は、系統発生学的に、古い順に、原小脳、古小脳、新小脳に区分されますが、それぞれ内耳にある前庭器、脊髄、橋からの求心性繊維をうけることから、前庭小脳、脊髄小脳、橋小脳とも呼ばれます。

 前庭小脳は、頭部と眼球の運動を制御し、身体の平衡を保ちます。脊髄小脳は、脊髄を上行してきた深部感覚の入力を受け、四肢や体幹の筋緊張を調節し、姿勢の維持に働きます。橋小脳は、橋を介して大脳皮質、特に運動野からの入力を受け、運動の円滑化に重要な役割を果たします。系統発生学的に新しいものほど、より複雑な運動と関連している様子がうかがえます。

 こういった運動機能と関連して、自転車の乗り方や泳ぎ方といった体で覚える類の記憶・学習も小脳が司どっています。

関連問題

●2018年-問87,

引用・参考文献

  • 日野原重明・井村裕夫(監修) 2002 看護のための最新医学講座精神疾患12 精神疾患 中山書店
  • 医療情報科学研究所 2011 病気がみえる vol.7 脳・神経 メディックメディア
  • 坂井建雄・久光正(監修) 2017 ぜんぶわかる 脳の事典 成美堂出版
  • 坂井建雄・河原克雅 2012 人体の正常構造と機能 第2版 日本医事新報社

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