老年期

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サクセスフル・エイジング、離脱理論、活動理論、連続性理論、社会的衰弱-再構成理論、コンボイ・モデル
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老年期とは、人の生涯のなかで最後の時期で、さまざまな物事の喪失が特徴となる時期です。しかし、寿命の伸長に伴って老年期の心理学的研究が発展し、新奇場面への適応力などが含まれる流動性知能は年齢とともに低下するものの、結晶性知能は高齢になっても維持されることが明らかになるなど、維持される機能があることもわかっています。
記憶の面では、作動記憶やエピソード記憶は低下する一方で、手続き記憶や意味記憶は維持されることが知られています。
喪失の時期というイメージの強い老年期ですが、喪失は変化に伴ってある面では必ず生じるものであるという観点に立てば、人生のいずれの段階でも喪失は生じており、人生そのものが喪失と適応の過程としても見ることができるため、心理面では老年期に特別なものではないという見方もあります。

サクセスフル・エイジング、離脱理論、活動理論、連続性理論、社会的衰弱-再構成理論、コンボイ・モデル

老年期に訪れる様々な変化に適応しながら豊かな生活を送るといった、望ましい老後の生き方を、サクセスフル・エイジングと呼びます。
老年期の適応においては、高齢者は能力の変化に応じて社会的役割から身を引き他者との関わりを少なくすることが役立つとする離脱理論と、一方で社会的な生活を送り他者との交流をはかることが役立つとする活動理論があります。日本では、職業を継続している人の幸福感が高く、活動理論が支持されています
これらに対しては、老年期にある個人であってもその前段階からの連続線上にあり、それまでの人生の中で確立してきたものにそって環境を選択していくため、適応の在り方は個人によって異なるという連続性理論があります。この観点からすると、活発な社会活動を維持することで老年期に適応する人もいれば、社会活動を抑制することで老年期に適応する人もいるということになります。
ほかにも、高齢者を無能とみる社会が高齢者の自己評価を低めて適応を妨げるため、社会的な衰弱を防ぐためには社会的組織を変え高齢者を尊重して扱う必要があるとする社会的衰弱-再構成理論が知られています。
このような高齢者をめぐった対人関係をとらえるモデルとして、コンボイ・モデルがあります。コンボイとは、護送船団のことで、他者に守られながら人生航路を進むという意味が込められています。
コンボイ・モデルでは、個人を中心として同心円状に層が広がっており、内側に属するほど配偶者や家族といった親密で安定したコンボイの成員、外側に行くほど個人との関係における役割の在り方に影響を受けて変化しやすいコンボイの成員が配置されます。

<参考文献>

  • 日野原重明・井村裕夫 2001 看護のための最新医学講座[第2版] 老人の医療 中山書店
  • 内田伸子(編) 2006  誕生から死までのウェルビーイング 金子書房
  • 関峋一(編) 2006 老年期の人間関係 培風館
  • 山内光哉 1990 発達心理学 下 ナカニシヤ出版

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