臨床心理学とは、主として心理・行動面の障害の治療・援助、およびこれらの障害の予防、さらに人々の心理・行動面のより健全な向上を図ることをめざす心理学の分野です。当サイトにおける臨床心理学というカテゴリーは、人間の健康な側面を扱う基礎心理学と対になるカテゴリーとして設定されています。また、当サイトでは、臨床心理学に関する知識を、どのような領域の心理臨床でもその基盤となる『基礎論』と、特定の領域においてより重要となる『領域各論』とに便宜的に分けています。
心理臨床活動に関して、国家資格である公認心理師の仕事は、公認心理師法の第2条に記されています。
(定義)
第二条 この法律において「公認心理師」とは、第二十八条の登録を受け、公認心理師の名称を用いて、保健医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する専門的知識及び技術をもって、次に掲げる行為を行うことを業とする者をいう。
一 心理に関する支援を要する者の心理状態を観察し、その結果を分析すること。
二 心理に関する支援を要する者に対し、その心理に関する相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと。
三 心理に関する支援を要する者の関係者に対し、その相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと。
四 心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供を行うこと。
心理臨床活動は様々な領域でおこなわれ、内容は多岐にわたりますが、ここに挙げられている仕事はそういった活動に共通する要素だととらえられるでしょう。
また、これらの仕事は、職業人としての態度のうえにおこなわれます。こちらについては、公認心理師法の第4章に義務等としてまとめられています。
こういった心理臨床家の仕事と関連する知識と、それを下支えする心理師としての態度や心構えは、心理臨床活動において特定の領域に限定されない、基礎的で重要な要素であると考えられます。よって、これらに関する知識を『基礎論』としてまとめました。
心理臨床の基礎に関する知識がある一方で、心理臨床の実践場面は、健康・医療、福祉、教育、司法・犯罪、産業・組織など多岐にわたり、それぞれの領域に特有の知識もあります。それらの知識を『領域各論』として領域ごとにまとめました。