連携等

目次
コンサルテーション・リエゾン精神医学
チーム医療
関連問題
関連ページ

コンサルテーション・リエゾン精神医学

コンサルテーション・リエゾン精神医学とは、精神医学の専門家と非専門家との間でおこなわれる相談や連携に関するもので、20世紀初めのアメリカの総合病院に精神科が設置されるようになったことから始まり、患者の身体症状のみならず、心理社会的問題も包括して対応していこうとする全人的包括医療に伴って発展してきたと言われています。
コンサルテーション・リエゾン精神医学には、コンサルテーション精神医学とリエゾン精神医学という2つの側面が含まれます。
コンサルテーションとは、相談を意味し、ある領域の知識と技術を持つ専門家(コンサルタント)が、それ以外の相談を依頼する者(コンサルティ)からの相談を受け、その状況を改善するための援助をおこなうことを指します。身体疾患を受け持つ主治医から患者の精神的問題について相談したいとの依頼を受けて、精神科医が対応する場合がコンサルテーション精神医学にあたります。コンサルテーション精神医学の基本として、コンサルタントは助言をおこないますがそれに命令的な意味合いはなく、それを採択するかはコンサルティの意志に任されるという点が挙げられます。
リエゾンとは、フランス語で連携や連絡を意味します。リエゾン精神医学とは、チーム医療と同義に解釈することもできるもので、身体疾患のチーム医療の一員として精神科医が関与する専門領域を指し、患者の精神症状だけでなく、患者-家族関係、患者-医療者関係、病棟における医療スタッフ間のメンタルヘルスなどを幅広く扱います。
コンサルテーション精神医学とリエゾン精神医学とは、オーバーラップする部分もありますが、コンサルテーション精神科医は火事が生じた時に駆けつけて火を消す役割であるのに対して、リエゾン精神科医はあらかじめ火災予防のための視察をしたり、火災訓練などの教育を定期的に行うことで、火災を早期発見したり、未然に防ぐ役割であると比喩されることもあります。

チーム医療

近年では医療の質や安全性の向上及び高度化・複雑化に伴う業務の増大などにより、個々の専門者だけでは患者の抱えるさまざまな医学的問題と、それに関連する心理的・社会的・経済的側面に総合的に対処していくことが困難になってきています。
こういった問題に対応するため、厚生労働省は、多種多様なスタッフが各々の高い専門性を前提とし、目的と情報を共有し、業務を分担するとともに互いに連携・補完しあい、患者の状況に的確に対応した医療を提供するための体制を「チーム医療」として、平成19年「医師及び医療関係職と事務職員等との間等での役割分担の推進について」を皮切りに推進してきました。
昨今では、チーム医療の形態も進化し、予防からリハビリテーションまでを含めて、在宅や地域連携・医療機関連携などの場を通して機能が拡大されています。
このような中で、公認心理師法第42条では連携について触れられているように、公認心理師においても連携が求められます。特に第2項には、「公認心理師は、その業務を行うに当たって心理に関する支援を要する者に当該支援に係る主治の医師があるときは、その指示を受けなければならない。」と、特に主治医との連携について記されています。
該当主治医からの指示は、公認心理師が、主治医の治療方針とは異なる支援行為を行うこと等によって要支援者の状態に効果的な改善が図られないこと等を防ぐため、主治の医師と公認心理師が連携して要支援者の支援に当たることが目的されます。
もしも、公認心理師と主治の医師の勤務先が同一の医療機関ではない場合には、公認心理師は、要支援者に対して、当該主治の医師による診療の情報や必要な支援の内容についての指示を文書で提供してもらうよう依頼することが望ましいとされています。
また、公認心理師が、主治の医師に直接連絡を取る際は、要支援者本人(要支援者が 未成年等の場合はその家族等)の同意を得た上で行ないます。
具体的に想定される主治の医師からの指示の内容は、要支援者の病態、治療内容及び治療方針について、支援行為に当たっての留意点について、直ちに主治の医師への連絡が必要となる状況についてなどです。
その他、要支援者が当該主治医の関与を望まない場合には、医師からの指示の必要性を丁寧に説明する必要があります。

<参考文献>

関連問題

2018-78,123
2018(追加試験)-38,49,54

関連ページ