問題
対象喪失に伴う悲嘆反応に対する心理的支援について、正しいものを1つ選べ。
① 悲嘆を悪化させないためには、喪失した対象を断念することを勧める。
② 理不尽な喪失体験に遭遇したときは、現実検討ではなく気分の転換を優先する。
③ 喪失した対象に対する悲嘆過程を共に体験し、その意味を共に探ることが目標である。
④ 悲嘆が病的な反応へと陥らないように、健康な自我の働きを支えることが目標である。
⑤ 悲嘆反応の中で出てくる喪失した対象への罪悪感は、病的悪化の要因になりやすいため、心理的支援の中で扱うことは避ける。
正答
③/④
悲嘆反応への基礎的な対応についての問題です。出題者の専門領域だったのかこだわりが感じられる問題ですが、最終的に正答が2つになっているように、問題としてはあまり良くないものになっています。それでも、⑤を積極的に消去できているというのは最低限必要な気もします。
⑤以外の選択肢は、深読みしてしまうと積極的に消去をしにくくなる感じもします。例えば①でいうと、Freudもいうように喪失対象との関係がまったく変わらないというのはそれで問題で、現実と向き合う中で多かれ少なかれ断念せざるを得ない部分はあると思いますし、直接的に勧めるかは別としても、Wordenのいうように対象がもういないのだという現実に向き合えるようにサポートしていくことはあると思います。また、②でいうと、理不尽な喪失体験が何を指すのかあいまいなので、持っているものを誰かに急に壊されたみたいなものもそれにあたると考えると、気分転換を優先するのも間違っていると言い切ってしまっていいのかと、答えにくい感じもします。それでも、比較した時に、やはり①、②は相対的に間違っていると考えて、③か④を選べていればいいのだと思います。
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