2018年 問71-80

問71
15歳の男子A、中学3年生。Aは非行傾向があり、中学校内で窃盗事件を起こし、学校の指導でスクールカウンセラーと面接した。両親は離婚しており、Aと二人暮らしの実父とは関係が悪く居場所がないことなど、自分から家庭の事情を素直に話した。Aとスクールカウンセラーとのラポールはスムーズに形成できたと考えられた。スクールカウンセラーは父親との関係がAの非行の背景にあると考え、継続面接の必要性を感じ週1回の面接を打診したところ、Aは快諾した。しかし、翌週Aは相談室に来なかった。担任教師の話では、Aは「あんな面接には二度と行かない」と話ししているとのことだった。
Aへの対応として、最も適切なものを1つ選べ。
1.独自の判断で家庭訪問をする。
2.児童虐待を疑い、実母に連絡する。
3.Aには伝えず父親を学校に呼び出す。
4.あの対人不信に留意し、面接の枠組みをしっかり保つよう工夫する。
5.Aをよく知るクラスメイトに事情を話し、Aを面接に連れてきてもらう。

問72
35歳男性A、営業職。1か月ほど前に、直属の上司Bからそろそろ課長に昇進させると言われ、Aは喜んだ。昇進の準備として部署の中期目標を作成するように指示されたが、いざ書こうとすると何も書けず、不安になり他の仕事も手につかなくなった。Aの様子を見かねたBの勧めで、社内の相談室に来室した。「中期目標はどう書けばいいか分からない。こんな状態で課長になる自信がない」と訴える。Aの許可を得てBに話を聞くと、Aの営業成績は優秀で、部下の面倒見もよく、Bとしても会社としても、課長に昇進することを期待しているとのことだった。
相談室の公認心理師の対応として、最も適切なものを1つ選べ。
1.Aの中期目標をどのように書くべきか助言する。
2.現在Aは抑うつ状態であるため、まず精神科への受診を勧める。
3.昇進はチャンスと捉えられるため、目前の中期目標の作成に全力を尽くすよう励ます。
4.目前の課題に固着するのではなく、キャリア全体から現在の課題を眺めることを支援する。
5.現在のAには中期目標の作成は過重な負担であるため、担当を外してもらうよう助言する。

問73
26歳の男性。職場の同僚たちの会話が自分へ当てつけられていると訴えて家族とともに来院した。2か月前から自分の考えが筒抜けになっていると思うようになった。「いつも見張られているので外出できない」と、周囲を警戒しながら話した。身体疾患、過度の飲酒及び違法薬物の摂取はない。
この患者に対する治療として、最も適切なものを1つ選べ。
1.抗不安薬
2.気分安定剤
3.抗精神病薬
4.対人関係療法
5.認知行動療法

問74
75歳の女性A、独身の息子と二人暮らしである。Aは2年くらい前からスーパーで連日同じ食材を重ねて買うようになり、スーパーからの帰り道で道に迷うなどの行動が見られ始めた。午前中から散歩に出たまま夕方まで帰らないこともあった。最近、息子の怒鳴り声が聞こえるようになり、時々Aの顔にあざが見られるようになったため、近所の人が心配して、市の相談センターに相談した。
市の対応として、不適切なものを1つ選べ。
1.虐待担当部署への通報
2.息子への指導及び助言
3.Aの居室の施錠の提案
4.徘徊時に備えた事前登録制度の利用
5.民生委員への情報提供と支援の依頼

問75
24歳の男性A。Aは大学在学中に自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害〈ASD〉の診断を受けた。一般就労を希望し、何社もの就職試験を受けたが採用されなかった。そこで、発達障害者支援センターに来所し、障害者として就労できる会社を紹介され勤務したが、業務上の失敗が多いため再度来所した。
この時点でのAへの支援として、不適切なものを1つ選べ。
1.ジョブコーチをつける。
2.障害者職業センターを紹介する。
3.介護給付の1つである行動援護を行う。
4.勤務している会社にAの特性を説明する。
5.訓練等給付の1つである就労移行支援を行う。

問76
19歳の女性A。Aは高校卒業後に事務職のパート勤務を始めた。もともと言語表現は苦手で他者とのコミュニケーションに困難を抱えていた。就職当初から、仕事も遅くミスも多かったことから頻繁に上司に叱責され、常に緊張を強いられるようになった。疲れがたまり不眠が出現し、会社を休みがちになった。家事はこなせており、将来は一人暮らしをしたいと思っているという。WAIS-Ⅲを実施した結果、全検査IQ77、言語性IQ73、動作性IQ86。群指数は言語理解82、知覚統合70、作動記憶62、処理速度72であった。
この検査結果の解釈として、正しいものを1つ選べ。
1.視覚的な短期記憶が苦手である。
2.聴覚的な短期記憶が苦手である。
3.全検査IQは「平均の下」である。
4.下位検査項目の値がないため判断できない。

問77
30歳女性A、事務職。Aはまじめで仕事熱心であったが、半年前から業務が過重になり、社内の相談室の公認心理師Bに相談した。その後、うつ病の診断を受け、3か月前に休業した。休業してからも時折、Bには近況を伝える連絡があった。本日、AからBに「主治医から復職可能との診断書をもらった。早く職場に戻りたい。手続きを進めてほしい」と連絡があった。
このときの対応として、適切なものを2つ選べ。
1.AとBで復職に向けた準備を進める。
2.Bが主治医宛に情報提供依頼書を作成する。
3.Aは職場復帰の段階となったため相談を打ち切る。
4.Aが自分で人事課に連絡を取り、復職に向けた手続きを進めるように伝える。
5.Aの同意を得て、Bが産業医にこれまでの経緯を話し、必要な対応を協議する。

問78
公認心理師の地域連携の在り方として、最も適切なものを1つ選べ。
1.地域の同じ分野の同世代の者たちと積極的に連携する。
2.他の分野との連携には、自分の分野の専門性の向上が前提である。
3.医師からは指示を受けるという関係であるため、連携は医師以外の者と行う。
4.既存のソーシャルサポートネットワークには入らず、新たなネットワークで連携する。
5.業務を通じた連携を基本とし、業務に関連する研究会や勉強会を通して複数の分野との連携を行う。

問79
認知心理学について、最も適切なものを1つ選べ。
1.まとまりのある全体性を重視する。
2.内観と実験との2つを研究手法とする。
3.観察可能な刺激と反応との関係性を重視する。
4.心的過程は情報処理過程であるという考え方に基づく。
5.心理の一般性原理を背景にしながら個人の個別性を重視する。

問80
認知療法で用いられる手法として、最も適切なものを1つ選べ。
1.ラポール
2.自由連想法
3.非支持的方法
4.系統的脱感作法
5.非合理的信念を変容させる方法

問81-90

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