2018年 問81-90

問81
研究の目的を偽って実験を行い、実験の終了後に本来の目的を説明することによって、実験の参加者に生じた疑念やストレスを取り除く研究倫理上の行為として、正しいものを1つ選べ。
1.個人情報保護
2.ディセプション
3.フィードバック
4.デブリーフィング
5.インフォームド・コンセント

問82
心理物理学の実験において、反応バイアスを含まない測定を目指す方法として、最も適切なものを1つ選べ。
1.極限法
2.調整法
3.一対比較法
4.二肢強制選択法
5.マグニチュード推定法

問83
観察法において、観察対象者に起こりそうな行動の一覧表を用意し、観察結果を記録する方法として、正しいものを1つ選べ。
1.日誌法
2.行動描写法
3.行動目録法
4.場面見本法
5.トランスクリプト

問84
長期記憶について、正しいものを1つ選べ。
1.宣言的記憶は手続的記憶とも呼ばれる。
2.意味記憶は時間的文脈と空間的文脈とが明確な記憶である。
3.エピソード記憶は一般的な知識としての事実に関する記憶である。
4.顕在記憶と潜在記憶とは記銘時の意識の有無によって分けられる。
5.非宣言的記憶は技能・週刊、プライミング及び古典的条件づけの3つに分けられる。

問85
コミュニケーションと言語の発達について、正しいものを1つ選べ。
1.発達初期に出現する語彙は、動詞や形容詞が名詞よりも多い。
2.語彙の増加は、初語の出現から就学まで概ね均質なスピードで進む。
3.指さしは、リーチングなどとともに生後6か月頃から頻繁に観察されるようになる。
4.生後9~10か月頃からみられる、対象に対する注意を他者と共有する行動を共同注意と呼ぶ。
5.クーイングとは、乳幼児期の後半からみられる「ババババ」などの同じ音を繰り返し発声することをいう。

問86
基本感情説における基本感情について、最も適切なものを1つ選べ。
1.それぞれの感情が特異的な反応と結びついている。
2.大脳皮質を中心とする神経回路と結びついている。
3.発達の過程を通して文化に固有のものとして獲得される。
4.喜び、怒り及び悲しみといった感情概念の獲得に依存する。
5.快-不快と覚醒-睡眠の二次元の感情空間によって定義される。

問87
中枢神経系のうち、意識水準の維持に必須の領域として、正しいものを1つ選べ。
1.小脳
2.前頭葉
3.大脳基底核
4.大脳辺縁系
5.脳幹網様体

問88
視床下部の機能として、正しいものを1つ選べ。
1.運動協調の調整
2.摂食行動の調節
3.対光反射の中枢
4.体性感覚の中継
5.短期記憶の形成

問89
J.Piagetの発達理論について、正しいものを1つ選べ。
1.外界に合わせてシェマを改変する過程を「異化」という。
2.「具体的操作期」になると、速度、距離、時間など変数間の数量的な関係が理解できるようになる。
3.「自己中心性」とは、何事も自分中心に考える幼児期の利己的な心性を表し、愛他心の弱さを特徴とする。
4.積木をサンドイッチに見立てて食べるまねをするような「ふり遊び」は、表象の能力が発達する幼児期の後半から出現する。
5.水を元のコップよりも細長いコップに入れ替えると液面が高くなるが、幼児期の子どもは水の量自体も変化したと考えてしまう。

問90
ストレンジ・シチュエーション法によるアタッチメントのタイプ分類(A:回避型、B:安定型、C:抵抗/アンビバレント型、D:無秩序・無方向型)について、最も適切なものを1つ選べ。
1.Aタイプの養育者は、子どもに対して虐待など不適切な関わりをしていることが多い。
2.AタイプとCタイプの子どもは、再会場面で感情が元どおりに回復せずに、怒りの感情を表すことがある。
3.BタイプとCタイプの子どもは、分離場面で泣くなどの苦痛を表出する。
4.Cタイプの養育者は、子どもに対して拒絶的に振る舞うことが多い。
5.Dタイプの養育者は、子どものシグナルに養育者自身の都合で応答するなど一貫性を欠く傾向がある。

問91-100