労働三法:労働基準法、労働組合法、労働関係調整法

 労働基準法、労働組合法、労働関係調整法は、いずれも労働者と使用者が対等の立場で経済を盛り立ていけるよう、雇われる側の労働者が不利にならないように労働者の権利を守る法律であり、総称して労働三法とも呼ばれます。労働基準法では労働者が不当な条件で使役されないよう労働の最低条件が記されており、労働組合法で労働者が労働組合を組織し使用者と交渉することを擁護し、労働関係調整法において労働関係の調整をおこなう際の決まりをより詳細に定めています。

労働基準法

 労働基準法とは、労働者が人として生活していくために最低限必要な労働の条件を定めた法律です(第1条)。労働者が不当な立場に置かれないように、強制労働や中間搾取を禁止したり、契約の基準や賃金の支払い、労働時間などについて定めています。
 労働時間については、使用者は、休憩時間をのぞいて1週間につき40時間、1日につき8時間を超えて労働させてはならないとされます(第32条)。ただし、労働者の過半数と協定することで時間外の労働をさせることができます(第36条)ただし、時間外労働については、原則1か月につき45時間および1年につき360時間を上限としています(第36条第4項)。特別な場合でも、休日労働を含め1か月につき100時間未満、1年につき720時間未満(第36条第5項)、複数月平均80時間を超えないことが求められています(第36条第6項)。

中には有給休暇についての規定もあり、使用者は、雇入れの日から起算して6か月間継続勤務し、全労働日の八割以上出勤した労働者に対して有給休暇を与えなければならないとされます。ただし、週所定労働日数及び週所定労働時間によって、付与される年次有給休暇の日数が異なる場合もあります(第39条)。

労働組合法

 労働組合法は、労働者が使用者との交渉において対等の立場に立つことを促進することにより労働者の地位を向上させること、労働者がその労働条件について交渉するために自ら代表者を選出することその他の団体行動を行うために自主的に労働組合を組織し、団結することを擁護すること並びに使用者と労働者との関係を規制する労働協約を締結するための団体交渉をすること及びその手続を助成することを目的としています(第1条)

労働関係調整法

 労働関係調整法は、労働組合法と相俟つて、労働関係の公正な調整を図り、労働争議を予防し、又は解決して、産業の平和を維持し、もつて経済の興隆に寄与することを目的としています(第1条)。この目的の通り、労働組合法において労働委員会がおこなうとされている、斡旋、調停、仲裁などに関する詳細が記されています。

関連問題

●2018年(追加試験)-問107 ●2020年-問108 ●2021年-問33

参考資料