言語の発達

言語の発達

 産声にはじまる人間の発声は日々急速に変化していきます。はじめは大声で叫びわめく単調で変化の乏しい叫喚ですが、生後1か月もすると、音声・色調に変化が生じてきます。また、クーイングと呼ばれる、おだやかで静かな非叫喚音も生じはじめます。

 その後、4カ月頃から、非叫喚音から成る一連の音声のパターンである喃語が発生します。喃語の初期には、「バ・バ・バ」や「タ・タ・タ」のように、決まった音節が繰り返されます。特に最初は「ア・ア・ア」のように、母音をゆっくりと繰り返すだけですが、その後6か月から8カ月頃になると、「バ・バ・バ」といった母音と子音を組み合わせた音節を、早いリズムで発声できるようになります。また、はじめのうちは、母国語以外の音韻も発しますが、徐々に発生の種類は狭まり、最終的には母国語に含まれるもののみを発するようになっていきます。喃語による発生の種類が決まるのと並行して、聞き分けの幅も狭まり、母国語に含まれない音については聞き分けられなくなっていきます。

 そして、1歳頃には意味は不明ながら、特定の場面で決まった発声をするようになります。この発声は、本来専門家同士の間でしか通じない仲間内の言葉を意味するジャーゴンが転用されて、ジャーゴンと呼ばれます。

 こういった発声が基礎となって、9カ月から1歳頃には初語が出現します。一般的には成人語でなくても、「わんわん(イヌ)」や「にゃーにゃー(ネコ)」といった、比較的慣用されている幼児語ならば初語とされます。その後、1歳半で50語程度、2歳で200~300語、2歳半で500の言葉を話すようになるともいわれていますが、個人差が大きいことも知られています。

 1語であるが文と等価な機能を持つものを1語文と呼びます。例えば、子どもは同じ「椅子」という言葉でも、「椅子の上にあげてほしい」、「椅子を机のそばにもっていきたい」、「私には椅子がない」、「この椅子はまっすぐに置いていない」と使い分けたりするわけです。この1語形式の談話に、1歳中ごろから2歳にかけて2語の連鎖形式が加わっていき、表現が広がりを見せていきます。

参考文献

  • 村田孝次 1968 幼児の言語発達 培風館
  • 無藤隆(編) 2001 発達心理学 ミネルヴァ書房

< 発達心理学

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