発達心理学

 発達心理学は、時間経過に従って生じる精神の発達的変化についての一般的な特徴や法則性を扱う心理学です。一般心理学や社会心理学は、時間という枠組みを考えた時には、相対的に短時間である定点から人間を理解していきますが、発達心理学では人間の理解を時間軸にそって進めていきます。

 私たちは、生まれてから死ぬまで時間の経過とともに変化していきますが、連続的な変化だけでなく、時に飛躍的に進む非連続的な変化も起こります。量的な変化の側面を成長、質的な変化の側面を発達と呼びますが、それまでとは異なった質をもつ一定の区分された時期を発達段階と言います。

 人間を時間軸にそって理解していこうとした場合、この発達段階にそって見ていく視点と、特定の機能や要素毎に発達を追っていく視点があります。発達を、発達段階にそって見ていくことで人間の全体的な発達の過程を把握することができ、特定の機能や要素毎に見ていくことでそれらが個々にどのように発達していくかを把握することができるようになります。このカテゴリーでは、これらの視点について詳しく見ていきます。

 発達段階の区切りは研究者によって様々ですが、ここでは心身をはじめとして、自分の身をおく環境の大きな変化をに、母親の胎内から出て外界に触れはじめると乳児期、筋肉が発達し立ったり遊んだりできるようになる幼児期、幼稚園や小学校といった場所で学びをはじめる児童期、第二次性徴によって身体的に大人になる青年期、就職し家族を作るようになる成人期、人生の終盤にさしかかる老年期にわけています。

発達段階ごとの発達

  1. 乳児期
  2. 幼児期
  3. 児童期
  4. 青年期
  5. 成人期
  6. 老年期

各要素の発達