目次
▽糖尿病の概要
▽Ⅰ型糖尿病とⅡ型糖尿病
▽糖尿病の治療・支援
・関連問題
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糖尿病の概要
食事などで摂取された栄養素は、分解されエネルギーになります。中でも、糖質から得られるグルコースは人間にとって重要なエネルギー源であり、血中のグルコース濃度は、高い時には主に肝臓や脂肪組織に取り込まれ、低い時には主に肝臓から放出されて、一定に維持されるようになっています。
こういった血糖値の維持において、脂肪細胞での糖の取り込みなど、血糖値を下げるためのホルモンがインスリンです。糖尿病とは、このインスリンが分泌されなくなる、もしく1はインスリンが分泌されるが効かなくなるなどのインスリン作用不足によって細胞に糖が正常に取り込めなくなり、慢性の高血糖となる疾患です。
血液中の糖の濃度が慢性的に高くなることで、様々な合併症が生じます。慢性的な合併症としては、体内でも特に細い血管を持つ眼、腎、神経には合併症が出現しやすいと考えられています。また、高血糖は動脈硬化をきたしやすいとも考えられており、虚血性心疾患や脳梗塞などの危険性も高まることが知られています。
その他、高血糖による好中球機能低下や血流障害、神経障害などによって易感染性が引き起こされ、さまざまな感染症にかかりやすくなります。
Ⅰ型糖尿病とⅡ型糖尿病
糖尿病は成因により、Ⅰ型糖尿病、Ⅱ型糖尿病などに分類されます。
Ⅰ型糖尿病は、小児から青年期に好発し、自己免疫や遺伝因子などが成因となります。また、一般的にインスリン分泌障害は高度で、最終的にはインスリンの分泌ができなくなり、人工のインスリンの摂取を必要とするインスリン依存状態となります。
一方で、Ⅱ型糖尿病は、中高年に好発で、遺伝因子や生活習慣が成因となります。糖尿病の家族歴がよく認められる点も特徴です。インスリン分泌障害は、軽度から中等度とさまざまで、インスリン非依存状態が多いものの、重症化すれば依存性となります。
また、Ⅱ型糖尿病では、組織におけるインスリン感受性が低下し、インスリンが効きにくくなるというインスリン抵抗性が見られます。インスリン抵抗性が生じる原因として、過食や運動不足などの生活習を主とした内臓脂肪蓄積が考えられています。
糖尿病の治療・支援
そのため、治療に関しては、Ⅰ型糖尿病のうち、特にインスリン依存状態の場合には、インスリン療法を基本とし、加えて食事・運動療法をおこないます。
Ⅱ型糖尿病では、自分でインスリンを分泌できる程度などによって、食事療法や運動療法、インスリン療法などが選択されます。
<参考文献>
関連問題
2018-133.