問題
28 歳の男性A、無職。Aは中学時代にいじめに遭い遅刻や欠席が増え、高校2年生のときに不登校となった。それ以来、自宅にひきこもり、アルバイトを試みた時期もあったが、最近はほとんど外出しない。普段はおとなしいが、家族がA自身の今後のことを話題にすると急に不機嫌になり、自分の部屋にこもってしまう。対応に苦慮した母親が精神保健福祉センターに来所した。
Aと家族に対するセンターの初期の対応として、最も適切なものを1つ選べ。
① 訪問支援を行う。
② Aが同意した後に母親の相談に応じる。
③ Aの精神医学的評価に基づいて支援を検討する。
④ Aに対する家族の対応に誤りがないかどうかを話し合う。
⑤ 即効性のある対処法を母親に教えて相談を継続する動機を高める。
正答
③
解説
選択肢のうち、①、⑤は見立てをもとにおこなわれる介入に関する選択肢です。そのような介入を進めるまえに観察・分析をおこなう必要があります。特に⑤については、即効性のある対処方法というものがそのそもあるのかという点にも疑問が生じるため、積極的に選択を保留します。この問題では、③が観察・分析に関する選択肢です。
選択肢の④は、クライエントを否定的な文脈でとらえていこうとする選択肢ですし、②に関しては、主訴はAの事ですが、センターに来所したのはAの母であってクライエントはAの母となるため、まずは母の相談事として対応することになります。援助にあたってAに働きかけていくような場合には、Aの考えも踏まえていく必要がありますが、現段階でAの同意は必ずしも必要ではありません。そのため、正答は③となります。
関連ページ
ひきこもり、 臨床活動の手順
違う問題を解く
次の問題を解く
ランダムに問題を解く
任意の問題を解く